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中学の部活存続を

地域あげて中学の部活存続を

日本経済新聞 朝刊 総合・政治 (2ページ)2025/5/26 2:00

 公立中学校の部活動を巡り、国の有識者会議が新たな提言をまとめた。2026年度からの6年間で実施主体を地元のスポーツクラブなどに移すことが柱だ。少子化が進む中でも極力多様な活動が存続できるよう、地域をあげて受け皿づくりに取り組んでほしい。

 国は今年度までの3年間を改革の推進期間とし、まず休日の活動を地域に移すよう求めてきた。進捗はまだら模様で、平日を含む全面移行を決めた自治体もあれば足踏み状態の自治体もある。

 提言は次の6年間で休日の活動は原則全て学校外に移管し、平日も改革を進めるとした。移行が順調でない状況も踏まえ、仕切り直した格好だ。従来の「地域移行」という表現は「地域展開」に改め、学校も活動場所の提供などを通じて関わることを明確にした。

 部活を地域にひらき、複数校をまたぐ形にすれば少子化が進んでも団体競技を続けられる。教員の長時間労働の是正にもつながる。自治体は今後の計画を住民に丁寧に説明してほしい。

 大きな課題が2つある。1つは「地域クラブ活動」と呼ぶ受け皿の確保だ。自治体や企業、NPOなどが担うが、運営の健全性と活動の質の担保が欠かせない。

 文部科学省は地域クラブの要件を定め、自治体が認定する仕組みをつくる。指導者による体罰などを防ぎ、家庭が安心して子どもを預けられる体制が求められる。

 もう1つはクラブ会費などを適正な水準に抑えることだ。いわゆる「体験格差」を防ぐには誰もが気軽に参加できないといけない。文科省は夏までに金額の目安を示す方針で、家庭と公費の負担のバランスを緻密に検討すべきだ。

 地域展開は部活刷新の好機でもある。アーバンスポーツや、障害者と健常者が共に楽しめる種目を積極的に取り入れてはどうか。

 中学生にとって部活は放課後の貴重な居場所だ。「やり抜く力」やチームワークといった将来有用な資質も育つ。困難な改革だけに社会全体で知恵を絞りたい。

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